日常生活で予防しよう
子供の頭痛とのつきあい方で最も重要なポイントは、日常生活での予防です。薬に頼り過ぎず、つらそうな頭痛を少しでも軽くするため、いくつかの方法を試してみましょう。
食べ物・飲物に気をつける
まず大切なのは、朝食も含めて3食ともに規則正しく取ることです。空腹は偏頭痛を助長しますし、きちんと食べていないと免疫力が低下しますので、他の病気にもかかりやすくなります。子供に朝食抜きで学校に行かせるなんて、言語道断。頭痛を起こしてくれといっているようなものです。
また、偏頭痛を誘発する飲食物、というものがあります。子供の食生活を振り返り、なるべく偏頭痛になるような食べ物をやめて、頭痛を減らす食品を食べさせましょう。
- 偏頭痛を招く飲食物
チョコレート(アミン)、チーズ(チラミン)、ハム・ソーセージ(亜硝酸塩)、化学調味料(グルタミン酸ナトリウム)
- 頭痛を減らす飲食物
大豆やその加工品(マグネシウム)、ワカメ(マグネシウム)、レバー(ビタミンB2)、イワシ(マグネシウム・ビタミンB2)、牛乳(ビタミンB2)、ヨーグルト(ビタミンB2)
サプリメントを活用する
なるべく薬に頼らないために、食事療法のほか、サプリメントも有効です。
<ハーブ>
- 西洋フキ(バターバー)
主成分のペタシンは、ロイコトリエンの分泌を抑えて鼻炎の症状を緩和したり、脳内血管の状態を整えたり、抗炎症作用があります。
- ナツシロギク(フィーバーユー)
主成分のパルテノリドは、血小板の凝集を防ぎ、セロトニンやヒスタミンなどの炎症物質放出を抑制します。
<栄養成分>
食事で補えない場合には、栄養成分をサプリメントで摂取することもできます。
- マグネシウム
- ビタミンB2
体を動かしてストレッチ
緊張型頭痛は、肩・首のこりや筋肉の緊張が原因です。これを予防するには、ストレッチで体を動かすのが一番。宿題やゲーム・パソコンで、同じ姿勢を長いこと続けてしまった時などに、子供と一緒に軽いストレッチをしてみましょう。
- 肩の上げ下げ
イスに座ったまま、両肩を上げ、ストンと落とします。力をあまり入れずに自然な状態で。後ろから人にやってもらってもOKです。10回ほど。
- 首倒し
座ったままでも立っていてもOK。手を頭にのせ、肩の力を抜いて、首をゆっくりのせた手の方向に倒します。左右交互に5回ほど。
- 上のび
イスに座って背筋を伸ばします。次に体の前で両手を組み、両腕を上にあげてアゴを引き、ぐーっと伸びをします。手は組んだまま、ゆっくりとおろして、3回繰り返します。
- 前のび
イスに座って背筋を伸ばします。体の前で両手を組み、ゆっくり息を吐きながら背中や腰を丸め、両手を前に伸ばします。めいっぱい伸ばしたら力を抜きます。これを3回繰り返します。
- 後のび
イスに座って背筋を伸ばします。両腕を後ろで組んで、ゆっくり息を吐きながら伸ばし、胸をそらします。めいっぱい伸ばしたら、脱力。3回繰り返します。
睡眠との関係
次の日に疲労を残さず、ゆっくりと快適に眠れれば、頭痛の予防になります。睡眠不足も睡眠のとり過ぎも頭痛の原因。平均した睡眠時間を規則正しく取るため、夜更かしなどさせず、子供と一緒に早寝早起きをするのが一番でしょう。
また、枕の高さは結構重要ポイント。特に緊張型頭痛の子供に高過ぎる枕は、首や肩のこりをひどくして頭痛を呼びます。
- 枕が高過ぎませんか?
- 枕が小さすぎて、寝返りを打つと頭がはみ出しませんか?
- 柔らかくへこみすぎていませんか?
- 詰め物がかたよっていませんか?
これらのポイントにひとつでもチェックがついたら、枕の買い換えも考えてみましょう。
ちなみに、私のお薦めは、バスタオルを折って枕カバーに押し込む簡易枕です。高さが調節でき、汚れやすい枕が丸ごと洗える利点もあります。
子供の頭痛と日常
やはり、日頃から子供に接していれば、ちょっとした違いもわかってくると思います。でもその時、「この子はいつもグズグズいう子だから」とか、「学校行きたくないだけでしょ」というふうに決めつけてしまうと、見えるものも見えてこなくなるのです。
頭痛は、うまく言葉にできない子供が伝えてくる警告信号。きちんと受け取ってやれば、子供もホッとしますよね。たかが頭痛と軽く思わず、丁寧に対処して、子供を安心させてあげてください。