自家中毒(周期性嘔吐症)
自家中毒は、周期性嘔吐症あるいはアセトン血性嘔吐症ともいわれます。2歳から10歳くらいまでの子供に多く、今まで元気に遊んでいた子供が急におとなしくなり、顔面蒼白となって何回も吐きます。血液中や尿中のアセトン体(ケトン体)という物質が増えすぎて起こる中毒症状です。
<症状>
- これといった原因もなく 元気がなくなる。
- 吐き気や嘔吐がある。
- 顔面蒼白・全身倦怠感。
- 尿の中のケトン体が激増している。
- 呼気のアセトン臭。
- 重症になるとコーヒー色の血液を吐く。
- 脱水症となる。
- 脱水が進むとけいれん、脈拍微弱、血圧低下。
<原因>
感染、過労、ストレスがひきがねになって、嘔吐を繰り返します。体質的に血液中のアセトン体(ケトン体)が増えやすいのではないかと思われます。
<治療>
軽い場合は、脱水症状を起こさないよう、スポーツドリンクやイオン飲料などを、何回かに分けて少しずつ飲ませ、水分を補給します。
飲ませてもすぐに吐く場合は、病院で点滴。安静にしてストレスを和らげます。感染症が起こっている場合はその治療をし、鎮吐剤や鎮静剤を投与。脱水症状が軽い場合は、20%ブドウ糖など糖分が多いものを。脱水症状が重い場合は、補正のためにカリウムを含まないものを点滴します。
偏頭痛との関連
- 吐き気・嘔吐・腹痛。
- 夜間や早朝などに突然発作が起こる。
- 発作のない時期は、全く正常。
- 過度なストレスがあると症状が現れる。
- 偏頭痛の家族歴が、82%である。
- 自家中毒患者は成人後、偏頭痛に移行する。
これらの点と、偏頭痛特効薬のスマトリプタンを自家中毒患者に皮下注射したところ、20分ほどで発作が消失したというデータ、また偏頭痛予防薬(アミトリプチリン)を処方したところ、発作が再発していないというデータから、自家中毒は偏頭痛の一種であるとされています。